2022年8月に記念すべき第100回コミックマーケットが開催されました。に際して翻訳についての本を発行しました。恐れながら兼光は商業翻訳家として30年以上活動続けてきました。主にアニメとマンガの和英翻訳が多かったのですが、マンガについて簡潔ながら一冊の小冊子に基礎的な方法論と課題についてまとめました。これから翻訳したい人も自分の作品を他人に翻訳を依頼したい人にも少しでも役立てることができれば幸いです。またこの本はマンガ英訳に焦点を当てていますが、一般論としては動画やアニメ翻訳にも当てはまるところが多いと思います。小説・ゲームについてはより参考になるかもしれません。


書籍版と電子書籍版の両方をとらのあな様にて委託販売しております。
書籍版:
https://ecs.toranoana.jp/tora/ec/item/040031006010
電子書籍版:
https://ecs.toranoana.jp/tora_d/digi/item/042000040772
商業作品だけではなく同人誌にとっても英訳は武器になりえると思っています。同人誌は自らの創作性を共有する素晴らしい手段です。『マンガ英訳の作法』でも触れましたが、海外に感性に歩み寄るのも良いけど自分の感性に歩み寄りやすい翻訳も可能だと思います。ただ闇雲な直訳の追及は逆効果になることもあります。今回いくつかの手法を提示したのでご興味あったら見てください。
以前にも言及したことがあると思いますがニッチなジャンルでも英語併記にする事で市場が一気に広がります。個々の国では小さな市場でも、組み合わせるバカにできません。英語が公用語ではない国でも英語はがんばれば読めるという人は非常に多い。そんな方々向けにあなたの趣味の世界を共有しましょう。そんな試みに少しでも貢献できればうれしいです。
皆さんからご意見・ご要望あれば続刊を考えてみたいです。今回の新刊で高評価を得られれば友人知人のマンガをサンプルに新規で翻訳して色々な翻訳例を並べるのも考えたいですね。もちろんやるとすればそんな試みに前向きなマンガ家友人知人と一緒にやりたいのですが。
なお、いつできるか現段階では検討つかないのですがいずれ大幅に増補改訂版をやるにしても今回の冊子はマンガ翻訳の骨子を要約し簡潔にまとめた一冊としての役割を果たせるのではないかと思いたいです。おこがましいかもしれませんが、最初は分厚い教科書よりは入門書というか全体像を掴めるのもそれはそれで役割があるのではないでしょうか。