[イベント]「『非実在青少年規制』改メ『非実在犯罪規制』へ」集会に参加します。

どうもです。この度、兼光もイベントに参加します。

「『非実在青少年規制』改メ『非実在犯罪規制』へ、都条例改正案の問題点は払拭されたのか?」

主催:「東京都青少年健全育成条例改正を考える会」
<共同代表:藤本由香里(明治大学准教授)・山口貴士(弁護士・リンク総合法律事務所)>
東京都千代田区麹町4丁目2番地第2麹町ビル2階
リンク総合法律事務所内
tel: 03-3515-6681 fax: 03-3515-6682
yama_ben@nifty.com
協力:「コンテンツ文化研究会」

参加費:無料
事前申し込み:不要
取材の方:受付にて登録をお願いします。

2010年12月6日(月)
18:30(開場) 19:00(開演) 21:15(終了)

中野ZERO小ホール(JR/東西線中野駅南口から徒歩8分)

集会の告知資料

プレスリリース

<パネリスト予定者>

河合幹雄(桐蔭横浜大学法学部教授・法社会学者)
呉智英(評論家・日本マンガ学会会長)
兼光ダニエル真(翻訳家)
とりみき(漫画家)
西谷隆行(日本雑誌協会・編集倫理委員会委員)
保坂展人(前衆議院議員・ジャーナリスト)
水戸 泉/小林来夏(作家)
山本弘(作家)
藤本由香里(明治大学准教授)
山口貴士(弁護士・リンク総合法律事務所)

その他、登壇者鋭意交渉中!

http://yama-ben.cocolog-nifty.com/ooinikataru/2010/11/post-8546.htmlより

さて、何を話すか。

今のところ「海外圧力と国内規制の変遷」という題目で考えていますが、ご意見とかあったらこのブログのコメントにご記入くださいね。とりあえず今までの発言をちょっと回顧してみます。

小生は5月17日の池袋のイベントでも参加してその時には大よそ海外からの外圧の根源にある誤解について言及しました。元々はツイッター上で唯登詩樹にこんなコメントを送ったのが一つのきっかけでした。

@yui_toshiki 日本への先進国からの誤解を自分なりに要約すると
1)自国と同じ犯罪率があるという誤解
2)性趣向と実生活が同一という思い込み
3)マンガ・アニメ全体の裾野の広さと美少女系作品群の多様性への無知
4)女性作家陣の大掛かりな貢献度の度合いの見落とし
、とかでしょうか。 7:37 AM Apr 25th
via web in reply to yui_toshiki

もうちょっと丁寧に言及すると次のようなことです。

1) 日本はエロが溢れかえっているという印象が先走っているのに、実際には日本は性犯罪率が低いことが知られていません。即ち多彩なエロが沢山あっても犯罪率と直結する訳ではないのに、海外ではそのように思われていないフシがあります。
日本は女性にとって差別や暴力があるのは率直に認めなればいけないしまだまだ改善の余地はありますが、犯罪率の程度からすると先進国ではトップクラスに低いといっても過言ではないでしょう。通報(犯罪認知数)以上の事件が起きているとしても、戦後から確実に性犯罪率は低下しているのは警察が編纂した犯罪白書でも確認できます。
先進国に比べて通報の敷居が高い(性犯罪に巻き込まれた女性がその事実が知れ渡るのを恐れる)のは間違いないですが、女性の自尊心と自立意識は戦後目覚しく上昇しているのを鑑みれば昔よりも更に泣き寝入りする傾向が強まったとは到底思えません。即ち、例え性犯罪発生数が認知数よりも低いとしても、戦後からの確認できる認知数の減少の傾向自体は大よそ間違いないでしょう。(つまり認知数の減少以上に女性の通報率が下がっていれば犯罪発生が増えている可能性がありますが、まずその可能性は低いと私は思います。)
総合すると女性にとって日本は極端に安全な場所ではないにしろ、諸外国以上にとても危険とは思えません。しかし諸外国では細かいデータや日本の犯罪の低さを体験していないので、日本の「過激なポルノ」は日本に高い性犯罪発生率をもたらしていると思われてしまう傾向が発生してしまうということです。

2) 日本では女性が男性同士の性交を主体としたBL・ヤオイ作品を読んだりしても、実際に性転換して男性となって男性と同棲生活を過ごしたいとは思う人は非常に少ないでしょう。ロリ系エロマンガや美少女キャラにゾッコンの人でも三次元は願い下げと思う人間が多いのは日本マンガ・アニメ文化の面白い傾向の一つです。そもそも現実には存在しえないキャラクター、出来ない行為を祭っていると言っても過言ではないのかもしれません。
しかし欧米諸国では「ゲイ小説を書くのも読むのもゲイ」とか「SMマンガを描く人間はSMを実践している」という思い込みが激しいのです。即ち「娯楽における性的趣向と実生活における性生活が一致している思い込み」が強いと言うことです。
この為、日本のように想像上の性的趣向と現実の性生活が異なるのが想像しにくく、性に限っては日本は抑圧的な社会の中で変態行為と乱交が吹き荒れる国だと揶揄されることがあります。非常に失礼且つとんでもない誤解ですが、現実としてそのように思い込んでいる方々が諸外国にいるのを忘れては行けません。

3)「マンガ・アニメ全体の裾野の広さと美少女系作品群の多様性への無知」ですが、これは単純に言うと日本のマンガ・アニメの多様性が意外と知られていないということです。極論ですが、日本のアニメ・マンガについて齧った程度の知識のある欧米の人間が良く口にするのは「日本のアニメはとてもファンタスティックな世界観でアクションや寓話が主だった一般向けと凄いHentaiエロの二種類大別出来る」という意見。最近では全米FoxテレビのシットコムアニメThe Family Guyでは主人公が日本のアニメを沢山視聴する描写があり、彼曰く「なんだこりゃ。日本には10歳の女の子と怪物しかいないのか」と発言しています。

つまり小説や映画の世界にまったく負けないくらいに凄まじい多様性と膨大な出版点数が知られておらず、毎年一万冊を多く越える数のマンガ単行本が出版されている中で性描写がメインのアダルト作品の数は意外と少ないのが知られていません。さらには美少女作品は男性向け・女性向け・女児向けでも大きな違いが沢山ありますが、総て一緒に思われてしまっている傾向が確認できます。
もちろんアニメやマンガに精通している諸外国のファンの方々はこれが誤りだと知っていますが、日本のアニメやマンガに対して批難する人の多くはこの全体像を認知していないということです。

4) 私がもっとも強調したい点の一つが日本のアニメ・マンガにおける女性が占める重要な地位のことです。女性や子供を搾取していると思い込みがちな日本の性を題材したマンガは実際には女性や未成年者の自己表現の場として花開き、マンガ界に至っては世界でもっとも女性によって新規参入が容易であり、尚且つ男性優位社会が押し付ける価値観や社会で主流とされる価値観とは異なる作者さん独自の独特な作品性が発揮できるということです。
女性作家と読者層の重要性をことあることに持ち出していますが、何度でも繰り返したいです。あまりにも世界では知られていません。

さて、月曜日はどんな話題で固めるか…。「海外圧力と国内規制の変遷」ということですから、どちらかというと5月30日に行った講演の方がそのものずばりです。

要約すると
1) 国内で規制を推進したい人が海外からの外圧を都合よく利用している。
2) 外圧は均等でなく国によっては考え方も誤解も色々あるが、なにやら一緒くた集中批難されているように演出されている。しかも自国でも出来ない規制を日本に押し付けてくる例も少なくない。
3) 日本の性文化に対する外圧の歴史は古く、不平等条約時代まで遡る。
4) 官僚による創作物への介入の歴史もまた古く、明治末期・大正初期でも実は現代と非常に似た表現規制問題が発生している。大衆文化が旺盛となり、人間の内面的な問題により立ち入った小説学派、自然主義と私小説などが志賀直哉や島崎藤村によって押し広げられると、「市中に悪い影響を与える」という議論が始まる。かの夏目漱石もこのような権力介入の兆候に警鐘を鳴らしているくらい。

月曜日向けメモは以下の通りです。

– 都合良く「先進国ではこんなエロは溢れかえっていないとか、キリスト教圏ではこんな酷いエロがないとか」並べ立てているが、それを鵜呑みにするのは色んな次元でおかしい。日本のマンガ・アニメは欧米圏で準えれば小説のようなもの。欧米のマンガと同程度の規制をするというのであれば、総米諸国における小説の取扱も念頭に置かないといけないのでは?日本のマンガはのように多様且つ広く市民権を得たメディアであり、それを狙い撃ちするのは正気の沙汰ではない。石原都知事の小説も守られるべきであるが、小説・実写を除くというのは言語道断。どこの諸外国において「実在人物が登場する作品よりマンガの登場人物の方が有害だ」という論理が成り立つのか教えていただきたい。

– 東京の自治体レベルでの規制について言及する時に諸外国からの圧力を持ち出すこと自体おかしな話で、「表現の自由をゆがめるつもりはない」と言いつつ「海外の上品な方々に顔向けできないからこう言った表現に封じ込めたい」という理念は赤裸々である。

– 鎖国が解かれた以降、日本の作品は稀有な存在であるが故に多くの欧米人を魅了し同時に物議をかもした。その最中、日本のクリエーターの理念や意図は捨て置かれ、時の権力者や海外との橋渡し役を担う人間らによって都合よくその存在は操作されてきた。そろそろ不平等条約の呪縛から日本は解き放たれてもよいと私は思う。

– しかし業界は社会的責任を意識する必要がある。公的な存在である出版物の取扱については柔軟な多角的な取り組みを行い、作家は公人として自らの表現に対して責任を持たないといけない。批難されたら引っ込めるような姿勢ではいつまでたっても蜥蜴の尻尾切り的な議論となり、きちんとした対話が成り立たない。

– 同時に有害指定のシステム自体に弊害が多すぎる。冒険的な表現を行うのに妨げになっており、有害指定された作品が事実上の発禁ではなく、許容された存在を保ちつづけるのが望ましい。例えば米国では未成年への販売については出版社ではなく、小売店が責任取ることになっている。地域よって規定や基準が違うのに出版が総てを把握できないと言うことと表現の自由と販売する責任についてはある程度の距離を置いているとも言える。販売側の自主性や責任も大きな役割を果たしていると言える。

– とにかく立法過程がメチャクチャ、議論が足りない。米国では行政と出版社が対話する機会は大変少なく、法定での係争を通して決着することが多い。これが望ましいとは私は思えない。日本では今まで出版社と行政の間でやり取りすること多かったが今回の条例改正案については都はあまりにも性急に押しし進めており、条文をギリギリまで提示しないなど誠意が余にも足りない。これでは信頼関係を壊すことになりかねない。

– 11月29日にニコニコ動画で放映された『マンガ・アニメの危機!? 徹底検証「都青少年育成条例」』で東浩紀さんが言及した「どうやって海外からの声に対応するか」という命題に対して自分なりの答えを言及するのを現在考えたい。東さんの言う通りとは言わないが、欧米流と日本流と検証してそれぞれの違いや良いところを踏まえて考えていくのが望ましい。

…大体こんなところでしょうか。とりあえず寝てまた明日調整しよう。

ご意見お待ちしています!

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2 Responses to [イベント]「『非実在青少年規制』改メ『非実在犯罪規制』へ」集会に参加します。

  1. anyway44 says:

    明日はがんばって下さい。
    ほんのささやかな思いつきですが、「日本のマンガ・アニメの多様性が意外と知られていない」というのを読んで、いろいろ連想しました。

    「インド映画はみんな恋愛がらみの陽気な馬鹿騒ぎばかりだ」

    という発言があったとして、どのくらいの日本人が「へえ、そうなんだ」と信じてしまいそうか、といったあたりが感覚的に近いのかな、と思いました。年間数百本制作される上に言語も複数・文化的背景が大きく異なる世界の創作物について語るのは難しいはずですよね。

    それとこれは個人的な妄想ですが、香港・台湾・韓国と欧米圧力に弱い国が現実にマンガ規制を強化して業界が壊滅状態と聞きます。残るは日本なので、コミック・アニメではどうやっても日本産に勝てない諸外国からの産業潰しなのではと疑っています。

    それでは、もし会場に入れたら(入りきれないほど人が来ないといけないというのが矛盾していてつらいところですが)、客席から見守らせていただきます。

  2. ryo511 says:

    権力者による創作物への介入の歴史は、江戸時代にも遡ることができます。

    出版物規制の皮切りとなったのはの享保の改革(1722年)で、これによって好色本等の性的な内容を含む出版物が禁止され(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%A5%E7%94%BB)、寛政の改革で行われた出版規制(改印制度、1790)では好色本以外にも規制が及んでいます。

    もっとも、巨大な市場を抱える商品が、合法的な流通経路が無くなった程度で死に絶えるはずもなく、現代にまで残る「春画」は、実は非合法なルートで取引されていたものだったりします。

While I may not be able to respond to all comments, I always welcome feedback. Thank you.

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